高密度フレキシブル基板用超薄型コネクタ

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フレキシブル基板とリジッド基板の接続

携帯用電子機器の配線には多くの高密度フレキシブル基板が使われており、リジッド基板との接続には、FFCコネクタ(フレキシブル基板を直接挿入して、電気的な接続を形成するためのコネクタ)やBTBコネクタ(オスとメスのコネクタを勘合させて接続)が多用されています。近年これらのコネクタの小型化、低背化は目覚しいものがあり、最近では実装高さが1.0mm以下の製品が実用化されてきています。これからも、薄型化は際限なく続くものと考えられますが、接続機構を考えると、0.6〜0.7mm位が、厚さの限界ではないかと考えられています。それ以上薄い(背が低い)フレキシブル基板の接続が必要になった場合は、全く新しい接続方式が必要になってきます。

UTFコネクタを使った接続方式

このような要求を満足させるために開発されたのが、UTFコネクタです。フレキシブル基板の厚さを入れても、0.3mm未満の実装高さが可能になります。UTFコネクタの接続機構は単純で、フレキシブル基板とリジッド基板とを重ね合わせ、コネクタの表面に設けられたマイクロバンプが、各々のパッドに圧力をかけ、両基板の電気的接続を形成します(図1)。このような接続機構のため、コネクタのマイクロバンプは、電気的な接続に寄与していません。よって、コネクタの構造は単純になり、様々な材料や製造方法が使えることになります。また、フレキシブル基板やリジッド基板に特別な構造は必要ありません。コネクタというよりは、クリップといった方が良いかもしれません。

UTFコネクタの基本構成

図1. UTFコネクタの基本構成

コネクタのマイクロバンプはアレイ配列にすることができるので、フレキシブル基板の配線ピッチが小さくても、バンプのピッチは大きく設定することができます。バンプアレイが3列であれば、0.5mmのバンプピッチで、0.17mmピッチのフレキシブル基板(図2)に対応できることになります。また、設計の自由度が高くなるので、必要に応じて様々な構成が可能になります。図3に示されているように、極めてコンパクトな接続が可能になります。

0.5mmのバンプピッチで、0.17mmピッチのフレキシブル基板

図. 0.5mmのバンプピッチで、0.17mmピッチのフレキシブル基板

UTFコネクタの基本構成

図3. コンパクトタイプのUTFコネクタ

はんだ付け不要な超薄型コネクタ

FFCコネクタやBTBコネクタは、リジッド基板やフレキシブル基板の上にはんだ付けで搭載されます。このためプリント基板は高温にさらされることになります。また、はんだ付けは基本的に永久接続なので、繰り返しの着脱はできません。ただ、UTFコネクタを使用する事で、これらの悩みを解消する事も出来ます。

まず、はんだ付けを行わずに、機械的な構成だけで接続が完了しますので、高温にさらされません(図4)。従って、耐熱性の低い基板やモジュールにも適用することができます。機械的に加圧接触させているだけなので、フック部を外せば、容易に接続を解消することができ、繰り返し脱着を行うことができます。事務用品のステープル(ホチキス)のような感覚で着脱を行うことができます。

ステープルタイプのUTFコネクタの構成

図4. ステープルタイプのUTFコネクタの構成

次に、使用前のUTFコネクタと、装着した外観を示します(図5)。コネクタの内側に形成されたマイクロバンプアレイが、接触部を加圧します。マイクロバンプはアレイ配列にできるので、狭ピッチのフレキシブル基板に対して、マイクロバンプの方のピッチを大きく設定することができます。接続固定した状態での高さは、基板表面から0.3mm以下で、極めて低く抑えられます。

ステープルタイプのUTFコネクタ実装例

図5. ステープルタイプのUTFコネクタ実装例

UTFコネクタはカスタム設計が容易ですので、目的に応じて適切な構成が可能になります。

フレキシブル基板同士を接続する超薄型コネクタ

フレキシブル基板同士を接続するコネクタとしては、通称フライングコネクタと呼ばれる製品が一部のコネクタメーカーから販売されているだけで、この30年間小型化、薄型化は進んでません。「厚さ:2.5mm」「接続されるフレキシブル基板のピッチ:2.54mmピッチ」と変わってません。

新たに開発されたUTFコネクタ・エアは、フレキシブル基板同士をコンパクトに、しかも高密度で接続することができます。UTFコネクタ・エアの接続機構を「図6」に示します。

ステープルタイプのUTFコネクタ実装例

図6. ステープルタイプのUTFコネクタ実装例

同じパッド配列のフレキシブル基板は、各パッドが面接触し、その上からマイクロバンプが圧力をかけて固定します。圧力を除去すれば、接続は簡単に解消されます。単純な構造なので、接続厚さは、従来品の3分の1、接続ピッチは、10分の1まで小型化、高密度化が可能です。UTFコネクタ・エアは大幅に軽量化されているので、特に保持するための固定具などは必要ありません(図7)。

UTFコネクタ・エアもカスタム設計が容易ですので、目的に応じて、様々な構成が可能です。

UTFコネクタ・エアの実装例

図7. UTFコネクタ・エアの実装例

投稿者
  • 沼倉研史

    プリント基板の技術情報メディア「@ele」で、フレキシブル基板の材料・構造・実装技術について基礎から解説する記事を担当。連載「基板の常識(フレキ)」では、補強板の材料選定やポリイミドとPETの使い分けなど、設計・製造の現場で判断が必要になる論点を初学者にも分かるかたちで整理している。茨城大学大学院工学研究科修了。フレキシブル基板分野の著書多数。

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